先日、高卒向けの合同会社説明会に参加してきました。
25分間の会社説明を連続5回行う内容で、
大体300人近い高校生が訪れてくれました。
そこで、高校生は純粋だなと思う反面、
この子達はどれだけ自分の進路を考えているのかと、
ふと思いましたので、今回、
高卒採用者のキャリアについて、お話させていただきます。
目次
製造業の高卒採用者の扱い!
私が製造業の人事をしているため、
製造業の高卒採用者の扱いについてお話します。
仕事
製造業の高卒採用者の仕事は、
主に製造工程のラインに入ることです。
私の会社だと、4直2交替などの交替勤務になり、
4日働いて2日休み、昼勤、夜勤を隔週で繰り返すこととなります。
仕事は、クリーンルームと言われる防塵室で、
クリーンウェアという目以外を覆うつなぎを着用し作業します。
実際、慣れるまでは大分厳しい環境と言えます。
仕事内容は、製造マシンのメンテナンスが主となり、
少ない人数で多くのマシンを見なければなりません。
製造の方へ思うことは、工場内の隅々まで歩き回り、
マシンのメンテナンスを24時間体制で行っていることは、
とても凄いことだなと尊敬しています。
給料
高卒でラインに入る方の給料は、
基本給自体は高くありませんが、
交替勤務に対する手当や深夜労働の手当など、
各種手当がつきますので、
高卒で事務系に就職した方と比較すると高いです。
しかし、同年に採用される大卒と比較すると、
基本給は圧倒的に低く、手当を加算しても、
手取りは負けてしまうことが多いです。
ポジションとキャリア
高卒のポジションは、
やはり経営幹部候補というよりは、
言葉は悪いですが、一つの「駒」というのが事実です。
残念ながら、日本の大企業は、高卒に対する期待度は低く、
経営が少しでも傾くと製造ラインの省人化を進めます。
製造業において、モノを作っている人は重要なのですが、
あまりポジションとしては良い風に捉えられていません。
キャリアについても、
最終的には製造長、工場長という未来がありますが、
大卒者との競争があるため、厳しい現実となっています。
多くの方が年齢を重ね、作業長になるという感じです。
社内研修など、多くのプログラムを用意していますが、
製造の方が受ける内容は、開発などの知識が必要になるものでなく、
あくまで製造担当としてのものになります。
高卒就職のメリット、デメリット!
上記で長々と、製造業の高卒採用者の取り扱いを
ご説明しましたが、これから一般的に考えられる
高卒で就職するメリットとデメリットをお話します。
メリット
企業に簡単に就職できる!
高卒採用は、学校採用が多く、
学校が推薦してきた候補者を、
簡単な就職試験(面接)を実施して、
落とすことはありません。
企業は学校に求人情報を送り、
学校は候補者を選出するといった、
ほぼ指定校推薦的な意味合いが強いからです。
若くして多くのお金を稼げる!
社会人になるのが大卒者と比較すると、
48ヵ月早いので、48ヵ月分の給与と
8回分の賞与を多く貰えることになります。
大学に進学しないため、
奨学金、学費等のお金もかかりませんし、
多くのお金が自分の物になるのは大きいです。
デメリット
転職するのが難しい!
厳しい現実ですが、転職市場は、
大卒のみという場合が多いです。
大学進学率が高くなるにつれ、
この流れはどんどん加速していきます。
行きたい企業があっても、
移れないというのは致命的です。
そして、企業がつぶれたら、
行く場所がなくなるという懸念があります。
自由な時間が無くなる!
大学進学者と比較して、先に社会人になります。
4年間の自由な時間を持つ大学生と比べ、
会社の所定時間を働かなければならないという
時間的な自由度がなくなります。
残念ながら、日本企業の多くは、
労働時間の対価が給料という慣習があるため、
この時間から逃げることはできません。
個人的には、生産性の対価が給料だと思うのですが、
日本で働く以上、この呪縛からは逃れられません。
コンプレックスを抱える!
私の仲の良い友達は高卒者が多いです。
そんな彼等が良く言うのが、
学歴コンプレックスです。
私自身、あまりその意識はないのですが、
「大学生活を送ってみたかった」
「大卒じゃないと上にいけない」
「高卒は所詮、高卒など」
大卒に対する憧れをぬぐいきれないようです。
お金があれば、学力が低くても大学なんてどこでもいけます。
大卒に価値が無くなっているこの時代でも、
このように考える人は多いです。
高卒で就職する際の注意点!
「本当にあなたはその進路で満足できますか?」
高卒で就職を考える方の多くは、
勉強するのが嫌だ、お金を稼がないといけないなど、
ネガティブな理由で、就職を選択する方が多いです。
皆さんの一度きりの人生で、
そんなネガティブな理由で進路を決めるのは、
あまり得策とは言えません。
先ずは、自分が何者であるか、
何がしたいのかを自己分析して欲しいと思います。
自分の想いの先に、進むべき道があることが重要です。
そして、高卒で就職を決めた場合は、
自分のブランディングを考えていきましょう!
これからの時代は、大企業でも普通に潰れる時代です。
昔なら、大企業に滑り込めれば、一生安泰でした。
しかし、これからは、自分の力を蓄えていないと、
どこからも必要とされない人材となってしまいます。
企業にキャリア形成を任せるのでなく、
自分でこういう人材になるのだという、
あるべき姿ありきで、キャリアを形成するようにしましょう!
まとめ
まだ高校生だからと言って、
自分と向き合うことから逃げないで欲しいです。
進学、就職の時期は、
自分としっかり向き合わないといけない節目です。
後悔のないよう、しっかり自分と会話して、
納得のいく道を選んでいただければと思います。
また、人生はいつでもやり直しができます。
2年後、大学に行きたくなったら、
勉強をし、受験すれば良いですし、
大学生活に飽きたら、
その場で就職や起業することもできます。
恐れず、挑戦してみることが一番大切ですので、
是非、皆さんには頑張っていただきたいです。
コメントを残す